トロムソコラージュ トロムソのコラージュ

おはようございます
書評とかを書いてみるのもいいのかも?
と思ったので、the latestの、直近読んだ本の
私の気持ち書留をおいてきます。(書評ってほとでもないですね)

谷川俊太郎さんのトロムソコラージュ

トロムソコラージュ

トロムソコラージュ

この本を読んで、私がはじめてオーストラリアに行った時のことを思い出した。
海外自体は初めてではなかったけれど(むしろ3度目)
1週間以上滞在するのははじめてで(3週間滞在)、
その土地の”生活に入り込む”という感覚が新鮮で印象に残っている(実際に生活に入り込んでいたのかは不明)

あの頃の純粋な気持ちを、どこに置いてきてしまったのだろう。
普通の十字路にある標識ひとつが、やけに面白く崇高なものに思えてカメラに収めていた17歳の自分
本の中にある、谷川氏本人がおそらく撮った(あとがきに書いてあるからね)トロムソの写真
その写真の中に、谷川さんの純粋なまなざしと心のフィルターを見る気がする

谷川さんを通すと、すべてのものが意味を持って語りかけてくる
机の上のりんごも、岸に停められた小型船も、通りすがりのカップルの戯言も、
すべてがこの世になくてはならない、重要なもののように思えてくる。

初渡豪から4年後、私は再びオーストラリアに滞在した。
次は10か月間。
でももう、街中の標識にときめくことも、道端の雑草に引き寄せられることも、
あまりなかった。
あの頃の純粋無垢な感性を私はどこに置いてきてしまったのか。

うんと年齢が上の谷川さんの詩を読んで、
そんなことを思った。